LEAN ANALYTICSを読んで物足りなかったので、あえてバズワードという切り口で参考書を探したらどうだろうか?と思いグロースハックという単語で探してみたところ、
いちばんやさしいグロースハックの教本 人気講師が教える急成長マーケティング戦略 「いちばんやさしい教本」シリーズ
- 作者: 金山裕樹,梶谷健人
- 出版社/メーカー: インプレス
- 発売日: 2016/01/22
- メディア: Kindle版
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この本が見つかった。 グロースハックというと登録フォームまみれになったりしてユーザー体験を破壊するようなイメージがあり印象が悪かったが、レビューなどを読む限り自分が求めているものに近そうだったので読んでみることにした。
そして読んでみて、自分が読みたかった本そのものだと感じた。良い本です。
まず、順序立てて何が大事なのかというところからブレイクダウンして教えてくれるので理解がしやすい。ブレイクダウンの粒度も、荒すぎず細かすぎないと思う。 そして実際のプロダクトの話をほどほどに絡めて書いてあるので現実的な実施のイメージも立てやすい。
本が薄いのも良い。こういう本はチームでサクッと読んで共通認識を持てるとやりやすいので、薄ければ薄いほど良い。 本気で読めば4時間程度で読めるボリュームだと思う。
論調としてもユーザー体験を破壊するような流れにはなっていなくて、安心して読むことができた。 むしろ普通かつ今風にウェブサービスの成長を考えたらこうなりますよねという内容なので、あまり「グロースハック!」って肩肘張らずに読むと良い本だと感じる。
プロダクトのステージを分けて、たとえば継続率50%を超えたら次のステージに行きましょう、継続率はこうやって分解してアプローチしていきましょう、みたいな話はまさに自分が欲しかった見地だった。愚直に採用するべきではないと思う一方で、議論のスタートラインとなるようなポジションになり得るのでとても便利に思う。
「すでにユーザーがいるところを狙う」みたいな発想も自分はあまり意識できていなかった点で、自分の考えを整理してくれるだけでなく広く浅く補ってくれてもいる。
オレオレフレームワークが出てくる点はオヤッと思わなくもないけど、まあそうしたい気持ちも分かる。 実際自分もAARRRの罠みたいなところにはハマっていた気がしていて、順序をきちんと意識するのは大事。 現場でそのまま使おうとするとあまりにもカブれてる感じが出すぎて引かれる気がするので、必要に応じて既存のPDCAとかAARRRを使いつつ本書の戒めも気にすると良いのではないか。大事なポイントを押さえているけど、それくらいで良い印象。
というわけで、プロダクトの成長についていい感じにまとまっているので良い本だと思いました。 他にもこういう感じの本があったら読んでみたい。